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仕事や人生をより良くするために「社外メンターを持とう!」 NPO法人アーチ・キャリア代表 井本 七瀬さん 

働く女性は誰でも、多かれ少なかれ悩みを抱えながら仕事を続けていると思います。お子さんがいる方は子育てと仕事の両立に悩み、そうでない方も社内でのキャリアアップや、転職も視野に入れてのステージアップに、悩むことがあるのではないでしょうか? では「社内に目指すロールモデルが見当たらない」、「相談できる人がいない」、「育休からの復帰後の働き方をイメージできない」という時はどうすればよいでのしょう。今回お話を伺った井本七瀬さんが設立したNPO法人アーチ・キャリアは、組織の枠を超えて「社外メンターを持とう!」というテーマでマッチングをして相談ができるサービスを展開しています。 井本さん自身、結婚、出産、復帰、その後の昇進も経験。仕事と家事・育児とを両立しながらキャリアアップした経験を元に、NPO法人の設立に至ったお話とその活動内容を伺いました。

※メンターとは、仕事や人生をよりよくするための支援者のこと。その人らしいキャリアを歩めるように、寄り添い、伴走し、時折、経験に基づくリアルなアドバイスを与えてくれる。

 

育児休暇での行動が私の転機でした!

育児休暇での行動が私の転機でした!

2018年6月、12年間勤めた人材紹介会社を退職し、9月にNPO法人アーチ・キャリアを設立しました。社外に相談できる先輩(メンター)を持とう!というテーマで社外メンターとのマッチングを行い、オンラインで相談ができるサービスを展開しています。

私が長く務めた会社は、男女の区別は一切なく、遅くまで仕事をする日もありました。仕事は好きなので苦ではなかったのですが、大学を卒業してからひとつの会社でしか働いたことがないということで、視野が狭いのではないかということを、自分でも危惧していました。

25歳で結婚してその後、出産。育児休暇中にキャリアコンサルタントやワーク・ライフバランスコンサルタントの資格を取得し、人脈づくりのための行動も起こしました。この育児休暇中が私の転機だったと思っています。

近頃は、起業家ママやバリキャリママがたくさんいらっしゃいます。メディアに取り上げられる方も多く、見ていても素敵だなとは思うものの、「自分とはちょっと違うな」など、どこか余所事のように感じませんか?

もっと身近にも、企業に勤め、キャリアも諦めず子育てと両立している素敵な女性はたくさんいます。
ただ、そういう方々とは出会う機会がないだけなんです。でも実際はそんな人にこそ、じっくりと体験談を聞いてみたいと思いませんか。私自身、初めての育休からの復帰はわからないことだらけでした。
両立の難しさも楽しさも、失敗談も聞いてみたい。等身大のリアルな話が聞きたいんです。でもどうすればそんな女性に出会えるんだろう?そう模索して出会ったのが関東で活動するワーママの団体『パワーママプロジェクト』でした。

その関西支部を担当させていただいたことをきっかけに多くのご縁が繋がり、あらゆる立場の、たくさんの女性の生き方を知ったことで、視野も広くなって、私はすごく生きやすくなりました。

出産前よりも出産後の方が、私らしく楽しく働けています。育休から復職する頃には、人材育成に携わりたい気持ちが高まり、復帰後にキャリアチェンジを希望。復職してから2年後には時短勤務で初となる管理職も経験し、順調にキャリアも積ませていただきました。

社外に相談できるメンター(先輩)を持とう!

社外に相談できるメンター(先輩)を持とう!

私が、時短勤務ながら自分らしく楽しく管理職ができたのも、社外にメンターを持てたからでした。

復職したばかりの頃は、育休を取得したことで同期より昇進が遅れたことへのジレンマがありました。時短だからと考えるほど辛くなったり、イライラしてしまうことも。そんな時に、10年以上の専業主婦を経て職場復帰して、役員にまで登りつめた方に「今の1~2年なんてたいしたことないから焦らなくていい。勝負はずっと先だよ」と言っていただき、気持ちが楽になりました。

経験と実績のある方からこの言葉を聞いた時、一気に視界が開きました。経験者のリアルな話以上に参考になるものはありませんね。ただ、自分だけのネットワークだと、どうしても似たようなタイプが集まってしまい、こういった一歩先ゆく人のお話を伺うチャンスは滅多にありません。かといって社外ネットワークには、なかなかたどり着かない。そこで私は組織の枠を超えたメンター・メンティーマッチング支援の必要性を強く感じて、アーチ・キャリアを設立しました。

主な事業内容は二つ。一つ目はもちろん、メンターマッチング事業です。
メンターは全て紹介制で、現在30人以上が在籍しており、相談者の抱える悩みや課題、属性に応じてマッチングします。メンターのほとんどは現役の会社員。お勤めしていて、いろんな苦労を乗り越えて、今のポジションを確立している、素敵な方ばかりです。コーチングやカウンセリングのプロではないということが特徴で、今回私が最もこだわった部分です。

知識や定義を元にしたカウンセリングでの解決ではなく、似た境遇の、同じ立場を経験した組織人に相談したいと、私自身が思ったからです。メンターたちはそれぞれ積み重ねた経験を元に、指導や助言をします。

管理職の方やシングルマザーの方、転勤族のご主人に帯同しながらもキャリアアップも諦めない方、結婚出産を選ばれていないキャリアの方もいらっしゃいますし、起業して失敗して、転職して役員にまでなられた方など、バラエティも豊かですよ。

そしてもう一つ、事業の柱となっているのが、法人向けのロールモデルの派遣です。企業でのイベントや研修、行政の取り組みや大学など、テーマに沿った最適なロールモデルを派遣します。

メンターもロールモデルも、社内にいないのなら社外で見つければ良い!社外だからこその視点もあるでしょう。

女性のこれからのキャリアアップ形成には、社外に相談できる先輩や手本となる人がいることが大事なんだと思います。もう社内だけで取り組む施策ではなく、個人が一人で頑張る時代でもない。もっと軽やかに社外と繋がっていくプラットホームが必要なんだと思います。

固定概念や定義に縛られず、自分らしくハッピーに生きましょう!

固定概念や定義に縛られず、自分らしくハッピーに生きましょう!

近頃の女性のパワーの凄さはいたるところで感じられます。けれど、まだまだ女性の役割は多くて、女性なんだからという固定概念にも縛られるなかで、自由になれてない方も多い。女性はもっと解き放たれてもいいんじゃないかなと思います。

男女雇用機会均等法の導入に奮闘された、スーパーウーマンたちからバトンを受け取った私たち世代は、「頑張らないと成し得ない」を続けるのではなく、自分らしく、もっと普通に、ともに働きともに育てるが当たり前で、「選択肢はいくつでもあるんだ」ということを、下の世代に伝えなくてはいけない。

私たち世代は頑張りすぎてはダメで頑張らなくてもダメという難しいポジションではあるけれど、自分らしさを諦めないことが大事なんだと思います。でも女性がそれを貫くには、ひとりでは限界があります。組織の枠を超え繋がることで、「こんな方法もある」「あんなカタチもある」となるはずです。そうなれば素敵な女性も増え、会社の発展にも繋がり、自分らしくハッピーに生きる女性が増えれば、日本の発展のスピードも早まるんじゃないかなと思います。女性も自ら選ぶことが大事です。みんなが自分のハンドルを握って、自分の人生を進んでいきましょう。

「地域での子育て」を感じる温かみのある街

「地域での子育て」を感じる温かみのある街 結婚してから暮らしている尼崎市ですが、実は私も主人も地元ではなく、特別な所縁もありません。

結婚当初、せっかくなら全く知らない新しいところに住んでみたいと思って探す中で、武庫川駅がすっかり気に入ってしまったんです。阪神電鉄の武庫川駅は梅田や難波に行くのにもとっても便利ですし、ホームが川の上にあるという珍しい駅なんです。約200メートルの長いホームが武庫川を跨ぎ、西宮市側にも改札があります。周辺は自然が多くて、駅を出てすぐの河川敷は、春には桜がとっても綺麗なんですよ。育休中はよく息子とお散歩をしました。


駅から自宅までの帰り道にはたこ焼き屋さんや肉屋さん、魚屋さんなど、昔ながらの商店が立ち並び、店主の方達が声をかけてくれます。

息子はすっかり仲良しで、おじちゃ~ん!おばちゃ~ん!と叫びながら、お店に入っていきます(笑)。小さくとも温かみのある商店街。みなさん気さくで、今薄れつつある地域での子育てがこの街にはあります。息子ももうすぐ小学生。小1の壁に不安もあるのですが、先日もお好み焼き屋のおばちゃんが「何かあったらおばちゃんが学校に迎えに行ってあげるよ。ここに居たらいいから」と言ってくれました。そんな中で息子も社交的に、たくましく育っています。

 

取材協力:スプーン チャーム (尼崎市西大物町12-41 アマゴッタ 5F)
https://tabelog.com/hyogo/A2803/A280304/28045707/

2018.12.21活動エリア 武庫川駅

2018.12.21
活動エリア
武庫川駅
Profile
井本 七瀬(いもと ななせ)

アーチ・キャリア代表。京都の大学を卒業後、人材紹介会社に勤務。会社員時代には、結婚、出産、復帰を経て、社内初の”時短管理職”となる。2018年6月、12年間勤めた会社を退職し、9月にNPO法人アーチ・キャリアを設立。尼崎市在住。6歳の男の子のママ。
https://www.archcareer.org/

 

 

 

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この記事を書いた人
福山 静
福山 静

ライター、クルールはんしん版編集長 2010年より、ママライフをもっと楽しむための 応援マガジン「クルール」のはんしん版編集長。 ライティング・編集、イベント企画業務に従事。 兵庫県在住。高校生と中学生の女の子2人の母。

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