女性たちがもっと暮らしやすくなるためのお手伝いを

藤本
『Cheer*full Café(チアフルカフェ)』はどうやって誕生したのでしょうか。
山崎
『Cheer*full café(チアフルカフェ)』は『HANSHIN女性応援プロジェクト』の情報発信ステーションとして、阪神沿線にお住まいの女性のみなさんの暮らしやお仕事・活動を応援できる情報やサービスをご案内するWEBサイトです。『HANSHIN女性応援プロジェクト』は家事や子育て仕事などで忙しい女性の負担軽減のお手伝いができれば、と2014年秋頃家事代行会社のベアーズさんとの連携した取組み「家事おたすけサービス」をきっかけにスタートしました。その後育児シェアのAsMamaさんの「子育てシェア」普及に向けたPRなどを実施していましたが、認知度が低かったため、これらの活動をもっと知っていただくために、WEBサイトを立ちあげようということになりまして。そこにあるのは「家事・育児・仕事や様々な活動に日々頑張る女性のみなさんに役立つ情報やサービスを紹介し、気軽にアクセスしてもらいたい」という思いでした。
また活動を通じて阪神沿線で活躍する、たくさんの素敵な女性たちとの出会いを通していただいたアイデアを企画に反映することができました。最初の企画会議はママントレさんと行ったのですが。ご参加いただいた阪神沿線在住のみなさんが「阪神電車っていいところがいっぱいあるからもっとアピールしたらいいのに」と、一生懸命考えてくださっていたことにとても感激しました。企業活動はどうしても”会社目線“での発信になりがちというのもあり、情報発信も含め、デザインに関しても、ぜひ女性目線を採り入れたいとの思いで、ママントレさんにお願いする運びとなりました。
須澤
私にとっては驚きの連続でした(笑)。
山崎
発信源となるWEBサイトが出来たことで、おかげさまで沿線在住の女性のみならず、一緒に活動したいという企業や団体からお声掛けいただく機会も増えました。
この活動を通じて、「阪神沿線って、なんかいいよね」「女性に優しいよね」と多くの方に感じていたければ、と思っています。
男性が多い会社だからこそ、数少ない女性の声を大事にしてくれる社風

男性社員の方からこのプロジェクトを会社として行うことに反対の声はありませんでしたか?
山崎
弊社は社員が情熱を持ってやりたいと言えば、「やってみろ」というオープンな社風なんです。男性社員が多い中数少ない女性社員がそう言うなら、「男性には分からない女性の本音でやりたいように挑戦してみたら」と任せてくれて。ありがたいことに反対の声はありませんでした。
藤本
山崎さんと永井さんのお2人はなぜ阪神電気鉄道に入社されたのですか?
山崎
とにかく、私にとっては社員の人柄が好印象だったんです。就職活動では、地域密着で働ける仕事のできる企業を中心に活動をしていたのですが、当社の社員の方の印象がとても良く、一緒に働くことができたら楽しいだろうなって。今もその時の印象は変わっていません。一番先に内定もいただきましたし(笑)。
永井
私も、『人』がすごく大きいです。
もともと電車を見るのも乗るのも好きで、学生時代は全国のいろんな電車に乗りに出かけていました。就職活動を始めるにあたって、実は鉄道系の会社が鉄道以外にもさまざまな事業を手掛けていることを知り鉄道系の会社を何社か受けました。その中で最終的に阪神電車を選んだのは、面接官や人事担当の方の人柄でした。
それぞれの『女性応援』のカタチ

チアフルカフェが「今の私が幸せ」と言いやすくなる場所になれば(山崎さん)
山崎
今の世の中ってそれぞれの立場への配慮から女性が今の自分の生き方をキッパリ肯定できていないように感じています。配慮するあまり色んな生き方の”しんどい部分”や”大変な一面”ばかりが浮き彫りになっているような気がして。働く・働かない、結婚する・しない、子どもがいる・いない。価値観は人それぞれだからこそ、全ての女性が自分の生き方を選んで「これが私の幸せです」って言える環境を作りたいなと。チアフルカフェでは、それぞれ自分らしく輝いている女性をたくさんご紹介することで「幸せは人それぞれで、自分の捉え方で決まる」というメッセージを伝えていければいいなと思っています。
阪神電車に愛着を持ってくれる人を増やしていきたい(永井さん)
永井
当初チアフルカフェは既婚女性向けなのかな?という印象があって独身の私に務まるのかな?という不安もありました。でも逆に私が入ることで独身女性にも喜んでいただけるコンテンツを企画できるのでは?とも思うようになりました。最初は強い結婚願望はなかったんですが、この仕事についてから子どもと接する機会が増えて子どもってかわいいな、私も子どもが欲しいなと思うようになりました。虫捕りやお芋掘りなど「子どもと一緒じゃないとできないこと」をたくさんやりたいなって。またインタビューに同行してさまざまな女性の生き方・働き方・価値観を知ることが出来、毎回刺激をいただいています。今後は阪神電車に愛着をもってもらえるようなイベントや企画をどんどん進めていきたいです。
女性だけでなく理解ある男性の目線も。
(担当部署で唯一の男性社員でありチアフル親子カフェ担当の石川さんはこの日はカメラマンとして同席)
須澤
阪神電車に入社して、まさか女性が多い部署で親子相手にお仕事するとは思っていなかったのでは?
石川
もともと子どもが好きだったので、この仕事に就けたことは純粋にうれしかったです。子どももますます好きになりました。一方で、子育てって本当に大変なんだな、ただ楽しいだけではないんだなという現実を知りました(笑)
山崎
女性同士で共感し交流する場も必要ですが、理解ある男性の存在も必要で、そういった意味でも石川がいる意義はとても大きいです。12月のイベントではサンタになってプレゼントを配ったり…。独身で子どもを持たない男性社員が、子どもやお母さんのために頑張る姿を微笑ましく見てくださる方も多いです。彼自身にも変化があり、子育てに関して具体的なイメージが湧き始めたとか。普段なかなか接することのない女性の日常や子育ての様子を垣間見るいい機会にもなっているようです。
みなさんの手で作り上げていく活動に

チアフルカフェの今後の展開についてお聞かせください。
山崎
『HANSHIN女性応援プロジェクト』を通じて阪神沿線の魅力をさらに伝えていければと考えています。活動を進めるうちに「もっとたくさんの女性に関わっていただきたい」と考えるようになりまして。
2017年よりチアフルカフェを一緒に盛り上げてくれる「チアフルサポーター」の募集を始め、今は情報発信もしていただいています(チアフルサポーターによるコラムはこちら)。今後はさらにサポーターの輪を広げ、「こんなことやってみたい!」というみなさんの声をどんどん採り入れていき、みなさんが中心の活動にしたいと思っています。
永井
「阪神電車っていいな」と身近に感じてもらえるようなイベントや発信をコツコツ積み重ねていきたいです。学生のみなさんやOLの方など幅広い年代の女性が楽しめることを増やしていこうと企画しています。楽しみにしていて下さい!
【編集後記】
女性同士ということもあり今回の対談は紹介しきれないほどバラエティに富んだ内容で盛り上がりました。
集まった4人は、年代・性格・価値観・環境もそれぞれ。山崎さんと永井さんはママントレの須澤さんの起業ストーリーに興味深々でした。
「女性がもっと楽しく暮らしやすくなる環境を」と願う『HANSHIN女性応援プロジェクト』。山崎さんと永井さんのお二人の想いや「たくさんの方の意見を採り入れたい」とどんなお話にも耳を傾ける真摯な姿勢が、チアフルカフェの魅力の一つになっています。
阪神電車と多種多様な女性が一緒になって、どんどん楽しいことが広がるチアフルカフェ。今後のチアフルカフェにご期待下さい!