小児科医として、また、未来の医師を育てる大学教員として
「子どもの頃から、病院、特に小児科との接点が多くあったので、医学部に進学した後、将来の進路について考える時も、最初から小児科がイメージにありましたね」と話す福田先生。一般的には「とにかく大変」と言われる小児科ですが、福田先生は、小児科外来に加えて、専門であるアレルギー疾患の診察・検査入院の対応、さらには研修医に対する指導や医学部の学生への講義、専門分野の研究と多忙な毎日を送っていらっしゃいます。
診察時には“子ども”だけでなく、“親”のケアを行うことも多い小児科医の仕事。特に母親は、子どもが病気になると混乱する人が多く、心配のあまり軽度の症状でも受診に連れてきたり、逆に、遠慮して聞きたい内容を医師に聞けなかったり、病院との付き合い方に頭を悩ませている人も少なくありません。そんな母親の負担を減らすためにも、「もっと積極的に父親に関わってほしい」という意見が小児科全体の声としてあるそうですが、福田先生は自らの子育て経験を踏まえながら、こんな心強いアドバイスをくれました。
「子育てって、普段から驚くことが多いでしょ? 病気やケガだったら、もっとビックリしますよね。熱性けいれんだったり、おもちゃの破片でケガをしてしまったり、おじいちゃんやおばあちゃんの血圧の薬を誤って飲んでしまったり…。そんな時、『自分の責任だ…』と落ち込んでしまうお母さんが多いんですが、病気もケガも起きる時は起きてしまうもの。そういう時のために病院があると思ってもらえればいいですよ」
「成長したあの子に会えるなんて!」 小児科医の醍醐味
その昔、「この子は本当に助かるんだろうか…」と思うぐらいの超低出生体重児を担当した経験がある福田先生。それから20年後、成人したその子どもと偶然再会した時は、心から感動したそうです。幼い患者さんが、病気や入院などの経験をネガティブに捉えるのでなく、その経験を糧に成長していく姿を見られることこそ、小児科医にとって一番の醍醐味であり、魅力と言えるのかもしれません。
「小児科医の仕事は大変ですが、その分、幸せも多いんですよ。最近は、“病院の外”で患者さんを支援する重要性を強く感じています」と語る福田先生。医療技術の進歩や予防接種などの充実によって、以前より患者さんが病院で過ごす時間が短くなってきていることもあり、「一般生活に戻った時にどういった支援ができるか?」を考える機会が増えているのだとか。「患者さんのほとんどは病院以外の場所で日常を送っているので、その時間をいかに支えられるか。私たちができることは、まだまだたくさんあると思っています」と熱く語って下さいました。
少しでも多くの皆さんに、「食物アレルギー」について知ってほしい
2017年8月25日(金)から27日(日)までの3日間、子どもからシニアまでの幅広い世代が最新の医療や健康づくりを楽しく学ぶことができる体験型イベント「なるほど医学体験 HANSHIN健康メッセ2017 ~遊んで学んで広がる健康の絆~」(主催:学校法人兵庫医科大学、国立大学法人神戸大学、阪神電車株式会社)が梅田のハービスHALLで開催されます。
このイベントの最終日に、セミナー講師として登壇する福田先生。小児科医としてだけでなくアレルギー学会の専門医としても活躍している経験を踏まえて、主に、近年増え続けている食物アレルギーに関するお話をしたいと考えているそうです。普段は病院にお越しになる患者さんへの診療が中心なので、病院から出て活動するというのは本当に珍しいことなのだとか。福田先生も、今回のような一般向けのイベントで話をする機会をとても楽しみにされている様子で、「何らかの学びや情報を得て帰ってもらいたい!」という意気込みが、強く感じられました。
武庫川駅から見える川の様子が日々の癒し
武庫川駅を利用する病院スタッフの間で最近話題に上がっているのが、「駅から泳ぐ魚がはっきりと見える」こと。
武庫川駅は川の上にホームがあり、川の上に立っているような気分が味わえる駅として有名ですが、今年の春頃から、「以前は見ることがなかった魚が泳いでいるのがはっきりと見えるようになった!」と職場で話題になっているそうです。
「意外と大きい魚がいるんですよ。実は結構楽しみなんです」。多忙な毎日の中で緊張した心と身体をほぐすように、休日はできるだけゆっくりと過ごされている福田先生。きれいな川を魚が泳ぐ姿を見るのが、日々のちょっとした癒しになっているそうです。