人が気持ちよく働くためのルールを扱うお仕事が「社会保険労務士」です

社労士というお仕事をご存じでしょうか?社労士は社会保険労務士の略で、労働関係や社会保険に関係する法令の知識を持つ専門家です。「人が働く」ということに関わるルールすべてを取り扱っています。
例えば、会社の就業規則、各種契約書の作成、社会保険の手続き業務、年金や、会社が受け取る助成金、賃金や退職金の設計などが挙げられます。
澤井さんは、現在、神戸市内の社労士法人と提携し、助成金業務を受託する仕事を行いつつ、個人でも契約書作成や、女性の働きやすい環境を応援するためのセミナーや、コラム執筆などの活動もされています。
お仕事の目標や、今後挑戦していきたいことなどはありますか?とお聞きしたところ「忙しい経営者が、本来の仕事に専念できるよう、その会社の全体像を見て、労働に関するすべてのサポートをしていきたい」「女性が結婚、出産、子育てをしながらでも働ける職場環境を作れるように働きかけていきたい」と、今後の展望を聞かせてくださいました。
最近、ワーク・ライフ・バランスという言葉が注目されていますが、労働時間や働く場所などを柔軟にする制度を設けるなど、会社の制度自体の改革をサポートできる社労士というお仕事は、今後ますます注目されそうです。
やりたい!と思える仕事に出会えた幸せ

専門知識に加え、幅広い知識が必要な社会保険労務士。難しいとされているこの資格を働きながら取得し、順調にキャリアを積んでいる澤井さん。しかし、当初は、社労士を目指していたわけではないそうです。
大学卒業後、就いたのは営業職。
とてもやりがいはあったそうですが、ハードワークに体がついていかず事務職を経験してみようと、独学で簿記2級を取得し、税理士事務所の事務職へ転職。
その税理士事務所では、総務として、経理・労務、雑務一般を引き受けました。日々の業務をこなしながら、育児休業などの就業規則がないこと、つまり女性にとって働きやすい環境ではないという問題に直面し、自らその職場環境を変えたいと、法律書を手に取り、自分で調べるようになり、社労士という資格を目指すことになりました。
社労士の仕事をするにあたって、簿記の資格がある澤井さんには、数字に強いことも、強みの一つです。実際の業務では、給与計算や社会保険の算定など、実は数字を把握する力が必要だそうで、さらには、コミュニケーション能力や経営者目線というのも大事なスキルになってきます。前職での経験がまさに強みになっていますよね。
目の前の問題に真摯に取り組み、柔軟に働いてきたからこそ、出会えた社労士という仕事。
そういった環境に出会えたことが幸せだという、澤井さんの言葉はとても印象的でした。
会社と社員をつなぐパイプ役となり、澤井さん自身のこれまでの経験を武器に、オールラウンドに対応出来る社労士として、活躍されることでしょう。
仕事はもちろんママとしても、「今」を楽しまないともったいない!

事務所を構えていると聞くと、仕事をバリバリとこなしているイメージですが、澤井さんは、二人の息子さんがそれぞれ小学校と幼稚園に行ってから15時までの間が仕事時間、と決められているそうです。
保育所でなく幼稚園を選んだのは、ご主人が通った幼稚園に通わせたいという意向もありながら、元気盛りの息子さんたちとの時間を出来るだけたくさんとれるようにするため。
幼稚園や小学校から帰る子供たちに「おかえり」と言いたいという気持ちがあったからだそうです。
ご自宅を事務所にしている理由も、仕事の合間の隙間時間を使うこともでき、子供たちの行事や時間に合わせることができるから。「今のこの時間を楽しまないと損!」とても前向きにお仕事に、ご家族に、向き合われているように感じました。
元気な兄弟のママである澤井さん。阪神電車が大好きな息子さんは、幼少の頃、自分が乗る車両にもこだわったこともあったとか。お子さんの希望を叶えるべく、電車を2本、遅らせたこともあると話して下さいました。忙しい中でも、お子さんの「やりたい!」を叶えることのできるママは素敵ですよね。もちろん時間が許さない時は、ちゃんと話しあって、来た電車に乗ったそうです(笑)お子さんたちが大きくなってきた今は、歴史好きのご主人と一緒に家族でお城めぐりをすることが最近の澤井家のブームだそうです。
阪神岩屋駅には、大人も子供も楽しめるスポットが盛りだくさん!

自宅兼事務所の最寄り駅である阪神岩屋駅は、阪神電車の沿線の駅では珍しく、歩道橋の上から電車を見ることができます。トンネルから出てくる瞬間に遭遇できる電車好きにはたまらないスポットです。
兵庫県立美術館から神戸市立王子動物園までを南北に結ぶエリアは「ミュージアムロード」として認定され、沿道や美術館の周りにはカラフルなバナーや無料で楽しめるオブジェ・彫刻作品があり、アートを満喫できるエリアです。
建築家安藤忠雄氏設計の県立美術館は建物自体がアートを感じられ、美術館の屋上の「美かえる」のオブジェは是非注目してほしい見どころの一つです。魅力ある特別展が多く、澤井さんは一人でふらりと行くのが楽しみだそうです。
美術館南側の遊歩道は、港の風景が見渡せる広場になっており、誰もが自由に過ごせるパブリックスペースになっています。お子さんと一緒の時間を過ごせる場所として、こちらもファミリーにおすすめです。
「自分がやりたくてやっている仕事なので、愚痴は言わないと決めています」
仕事と家庭の両立で、大変なことはありますか?とお聞きすると、このような答えが返ってきました。 家庭を大切にしながら、ご自身の想いに向かって着実に歩み続けている澤井さん。柔和な雰囲気の中にも、芯の強さと行動力と情熱が感じられました。 働く女性として、母として、妻としても、ご自身のこうありたいというライフスタイルを試行錯誤しながら作り上げていこうとしている姿は、働き方に悩む女性に、共感を呼び、ロールモデルの一つになるのではないかと感じました。
取材協力:アッシュ・ド・カフェ(BBプラザ神戸内)
お洒落なお店が並ぶスタイリッシュな建物内の、一角にあるカフェ。豆にこだわったスペシャルティ・コーヒーを気軽に楽しめる。
HP:http://www.bbplaza.com/shop/hash