40人の生徒より、2人の娘に手を焼く日々

「40人の生徒を見るよりも、2人の我が子を見る方が大変なんだってびっくりしました。」
元気いっぱいの1歳の娘さんを連れてインタビューに応じてくださったSaoriさん。ご家族はアメリカ人のご主人と娘さん2人の4人家族です。初めての育児とはいえ、仕事ではいつも小学生40人ほどを見ている立場。我が子はたった2人だから大丈夫だろうと思っていたそうですが、むしろ大変だと実感されたそうです。
「小学校に来ているときは、どの子も頑張ってるんだなって改めて感じました。外ではちゃんとしないといけないという意識があるんですね。集団の中での自分をちゃんとわかっています。でも家に帰ると違う場合もあるようですね。『家ではちゃんとしてくれなくて困っている』と保護者の方からお聞きすることがあるのも納得。うちの娘も、幼稚園ではしっかり先生の話を聞いたり、お友達におもちゃを譲ったりするようですが、家ではそうでないことも多くて手を焼いています。教師歴は10 年以上になり、ずいぶん慣れてきましたが、ママとしてはまだまだですね。」
「必ずみんな成長する」という確信が原動力

Saoriさんは三姉妹の次女。幼い頃から、ご両親にくっついているよりも、積極的に他の人と関わっていけるタイプだったそうです。学校の先生も大好きで「両親と同じくらい、学校の先生にも愛情を求めていたのかもしれないですね。先生に褒めてもらいたくて頑張っちゃうところもありました。」そんなSaoriさんだからこそ、小学生の頃から夢は学校の先生。高校生の時にもらった「小学校の先生が向いているよ」という助言に後押しされ教育大に進学し、夢を叶えるために必要な小学校の教員免許を取得しました。
念願だった小学校の教師になって10年間、仕事に打ち込んだSaoriさん。子どものころからの夢が叶ったとはいえ、大変なことも多いはず。でも「3学期が終わるときに、苦労も全部チャラになるんですよ。子どもたちって絶対成長します。それを実感できるから、また次の学年も頑張ろうって思えます。」と笑顔で話される様子が印象的でした。ご自身のことを認めてくれ、夢を応援してくれた先生への感謝が、自分も「子どもたちの夢を応援したい」という思いにつながっているようです。
出身地は関係ない、いろんな人に開かれた街

「教師は天職」というSaoriさんですが、今は産休・育休で4年ほど仕事からは離れていらっしゃいます。「尊敬する先生から『教室にいる子どもたちには家に帰れば家族がいる。自分の子も同じこと。自分の子には自分しかいないんだよ。』という言葉をもらいました。仕事復帰することは決めているので、今しかできないこと、今だからこそ過ごせる時間を大切にしたいと思っています。」と話すSaoriさん。今は、子どもたちとの時間を目一杯楽しんでいらっしゃいます。
市内には意外と公園も多く、子どもたちとのお散歩スポットもたくさん。川沿いを歩いて、船に手を振ったり、お子さんもとても楽しそうです。「この辺りは、地方、そして他の国から来た人も多いんです。若い人も多いですし。私も夫も地元ではないんですが、出身地に関係なく開かれたエリアのように感じます。」とのこと。確かに観光客の方も多く、様々な国の人が自然に歩いている街。大阪弁以外の言葉、日本語以外の言葉が飛び交う街は、大阪らしさとは一見かけ離れているように思えます。しかし、いろんな個性を受け入れる懐の深さ、そして個性豊かな雰囲気もまた、大阪らしさなのかもしれませんね。