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コラム

食事で改善、美人レシピ。

小山 静花
兵庫医科大学病院 臨床栄養部 管理栄養士

たんぱく質を考えよう

たんぱく質を考えよう!

 今回は、読者の方からリクエストいただいたテーマについてお話しさせていただきます。

 

 皆さんは「たんぱく質」と聞いて何を思い浮かべられるでしょうか? 最近、栄養指導をしていると、「サルコペニアなど筋肉が減ってしまうことを予防するために摂取したほうが良い」とか「筋肉増量や血糖コントロールを考えて炭水化物や脂質を減らしてたんぱく質を摂取したほうが良い」とか、皆さんが様々な情報をもとにたんぱく質をイメージされていると感じることが多々あります。諸説あるため、何が正解・不正解ということはありませんが、今回は管理栄養士からの目線でたんぱく質のお話をさせていただきたいと思います。

たんぱく質やほかの栄養素の働きとは?

 たんぱく質は血液や筋肉や免疫の材料となることが主な働きです。ちなみに、炭水化物は主にエネルギー源として、脂質は主に細胞膜の構成や体調を整えるホルモンの材料として働きます。

 

 そもそも栄養素はなぜ分かれているかというと、「体内での働きが異なるため」、そして「利用したり貯蔵したり解毒したりと、影響が出る臓器が分かれているため」です。共通した働きとしては、どれも「エネルギー源になる」ということですが、エネルギーとして働く優先順位は状況によって変わります。

 

 基本的に、最初にエネルギーとして働くのは炭水化物です。例えば、5日以内の飢餓状態であれば、糖質を使い果たした後、脂質とたんぱく質を利用しますし、5日以上の飢餓状態なら、極力体内に窒素をためるようにするため、脂質を使うことが多くなります。運動については、運動開始当初に糖質を利用して、長時間の有酸素運動になると脂質(ケトン体)を利用します。

たんぱく質の利用

たんぱく質の利用

 それでは、たんぱく質はどのように利用されていくのでしょうか? 肉や魚などが人の体に変わるまでには、まず、口に入って小腸に行くまでにペプチドという形に消化され、小腸でアミノ酸に分解されてから吸収されます。そして、アミノ酸になったときに発生するアンモニアというゴミとともに肝臓に到達し、アンモニアは肝臓で解毒、他のアミノ酸は体のそれぞれの部位に必要な形に組み替えられて利用されます。

 

 炭水化物・脂質にはないたんぱく質特有の事情として、窒素というゴミがあります。人が生存するために窒素は必要なのですが、前述したアンモニアというゴミや、体での利用が終了した食べ物由来のたんぱく質は尿素窒素というゴミに、筋肉由来のたんぱく質はクレアチニンというゴミになります。

 

 ちなみにこのゴミは、腎臓が尿と一緒に体の外に排泄していきます。一方で、炭水化物や脂質には窒素が含まれていないため、このようなゴミの発生はなく、水や炭酸ガスに変換されていきます。これらを踏まえると、たんぱく質は肝臓・腎臓を働かせる栄養素だということが理解できると思います。

たんぱく質だけだと何か不具合があるのか?

 私たち病院の管理栄養士がたんぱく質を提供するときに参考にする値の一つに、「非たんぱくカロリー窒素比」というものがあります。簡単に言うと、外来由来のたんぱく質を効率よく人のたんぱく質として使うためには、胃や腸、肝臓や腎臓などの内臓を動かさなければならず、エネルギー源としてたんぱく質以外の栄養素のエネルギーが必要になりますよ、ということです。

 

たんぱく質を考えよう

 それでは、炭水化物と脂質を控えた際、肝臓や腎臓は何をエネルギー源にするのかというと、もちろんたんぱく質です。そうすると、たんぱく質をエネルギーにすることによって、本来血液や筋肉になる予定だった仕事をやめなければならず、また、アンモニアや尿素窒素というゴミが出てしまい、挙句の果てには全体のエネルギーが不足することにつながってしまい、筋たんぱくを利用してクレアチニンが上がる、などということが発生してくるのです。

 

 ジムトレーニングなどの強度な筋肉増強を求めるレジスタンス運動をされる際は、筋肉が分解されるスピードと合成されるスピードを同じにするために、たんぱく質をさらに分解した分岐鎖アミノ酸を摂取することで筋肉に置き換えることが重視されます。それ以外の方が筋力維持のため予防的に利用するには、年齢や疾患を考慮してたんぱく質を利用しなければなりません。

 

 もちろん、貧血・免疫力低下・筋力低下などを予防するためにもたんぱく質は必要です。ただ、有効に活用できるのは、「他の栄養の協力があってこそ」ということを踏まえて、摂取していただきたいと思います。筋肉を気にしている人だけでなく、血糖値を気にされている方も同様です。たんぱく質もエネルギーになるので、ゆっくりと血糖値が上がることを知っておきましょう。

<今回のレシピ>

<今回のレシピ>

非たんぱくカロリー窒素比自由自在、カオマンガイ

 

材料  (4人前)

鶏モモ肉     1枚 (300~350g)

    料理酒       大さじ1 

    塩         適宜

    胡椒(または黒胡椒)適宜

米        2合

白ネギの緑の部分(臭みけしです)     

おろしニンニク  さじ1/2

おろししょうが  小さじ1

ガラスープ    小さじ1

お好みでナンプラー・ごま油

 

タレ

   白ネギ     1/3本分ぐらい

   濃口醬油      小さじ2

   オイスターソース  小さじ2

   砂糖        小さじ1

穀物酢(またはレモン汁) 小さじ1

   味噌        小さじ1

   おろししょうが   小さじ1/2

   水         大さじ1

   ナンプラー(あれば)


作り方

 1.鶏肉にフォークなどで穴をあけ、調味料をもみこんでおく
 2.お米を洗って、水を入れ、ニンニク・生姜・からスープの素を入れる。
(あればナンプラーやごま油を入れてください。)
 3.鶏の皮からだしが出るので下にして、白ネギの青い部分を一緒に入れる。
 4.炊飯ジャーで炊く。
 5.タレを作る。白ネギをみじん切りにして、あとは調味料と合わせるだけ。

 

 

ちょこっとpoint

 この内容を4人で均等に分けると、非たんぱくカロリー窒素比は110前後になります。

普段の非たんぱくカロリー窒素比は150前後で考えるので、ご飯だけ増やすと、分子が大きくなるので非たんぱくカロリー窒素比は上がります。

筋肉増強のレジスタンス運動を行っている方などは、お肉だけ増やしたり卵を足したりたんぱく質を増やすと分母が大きくなるので下がります。

 

 何が正解、ということはありませんが、大切なことは、食品はメリットとデメリットが必ず存在しているということです。たんぱく質は筋肉を作り、貧血を改善する。もちろんそれは正解ですが、肝臓や腎臓を働かせるため、過剰摂取は負担になることもあります。「バランスよく」とは万遍なく栄養を拾い上げ、働きや内臓への負担を分散させることで、体を守ることにもつながります。

 

何かのスポーツ大会の際や、持続的にレジスタンス運動を強化する際などにはたんぱく質摂取の増量を考慮していただき、そうではないときは、腎臓や肝臓への負担を考慮して、バランスよく食べることを意識してみてはいかがでしょうか?

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